ありがとうケンザブロウ、そしてさようなら

ケンザブロウ

朝起きると死んでいた。泥水のような大量の血反吐を吐いて、おそらく致命傷であったであろう真っ赤な鮮血を口の周りに少量残して。

体に触ると微かに温もりが残っていて、明け方に息を引き取ったことが分かる。涙が止まらない。12月30日、この冬一番冷え込んだ朝のことだった。

昨日まで元気だったのに。

29日、朝起きて、散歩して、ご飯も食べた。そこまでは、いつもの日常と何も変わらない一日の始まりだった。

様子が変わったのは、午前中、大量に嘔吐してからで、すぐに 病院へ連れて行き、 年末最後の診療に何とか間に合って、ほっと胸をなでおろしたのに、正月休みのための大量の薬と療養食(ドッグフード)をもらい、何も変わらない日常がつづくはずだったのに、家に帰ってきてからも元気だったのに、薬もドッグフードも一度も使わずに逝ってしまった。

ケンは凄く手のかかる子だった。神経質で警戒心が強く、人嫌いで、問題をたくさん起こしまくって、でも私には優しく、甘えん坊で、いつも足元にいて、耳を立て私の顔を見ている、私にだけは、ほんとうに人なっこい子だったのです。

そんな問題児だからこそ、たくさん手をかけることが出来きて、それは、アジリティであり、フリスビーであり、トレッキングであり、それら全てを合わせた結晶がケンザブロウと言う名もなきボーダーコリーの存在にほかならないのです。

たくさんの思い出を残してくれたケンザブロウ、短い生涯だったけど、私と出会ってくれてありがとう。弱虫のイチハをいつもガードして、優しく見守っていた、本当は心優しいケンザブロウ。イチハが一人になってしまって、凄く寂しがってるけど、今度、妹を逢えることになりました。安心して天国に行ってください。

天国で、ケンタロとケンジロウと楽しく遊んでいてね。

さようなら。私の愛犬。

 

あるボーダーコリーの物語

1章 我が家のボーダーコリー
2章 ドックスポーツとの出会い
3章 トラベル&トレッキング
4章 ありがとうケンザブロウ、そしてさようなら

 

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