ドッグスポーツとの出会い

ケンザブロウと暮らし始めて濃密の半年が過ぎ、警察犬訓練所で教わった訓練のレパートリーも尽きてしまい、これ以上自分だけでは訓練を続けることができず、ドッグスクールへ通ううことを決めました。

ボーダーコリーと言えばフリスビーやアジリティをする犬種で有名で、どうせ学校に通うのならドッグスポーツをしてみようと思い、そしてフリスビーよりアジリティの方が服従訓練になりそうなので、ネットで調べ永田ドッグスクールへ入学を決めました。

 

アジリティは楽しい

永田ドッグスクール

ドッグスクールは始め、”しつけ教室”から、段々にアジリティの器具を使ったトレーニングへと移行していきます。競技をするには犬と人、両方にアスリートとしての身体能力とメンタルを必要とするかもしれませんが、”しつけ教室”の延長でアジリティをするのであれば、どんな人でも、どんな犬種でも、一緒に遊ぶ(プレー)ことが出来ます。

愛犬と一緒に全力疾走する経験は、お散歩や庭で遊ばせているだけでは、とても感じることの出来ない感動を得るでしょう。

 

永田ドッグスクール

初心者教室は芝生のグランドなので、たとえ足がもつれて転んだとしても安心です。多分、犬の速力に合わせて走り回れば、次の日の筋肉痛対策は考えていたほうが良いかもしれません。

 

ケンも最初は服従訓練からスタート。”アトヘ”、”スワレ”、”フセ”、”マテ”、”コイ”、など犬を制御する練習をします。これが出来るようになると、犬を動かす練習になります。犬を左回りさせるのを”カム”、右回りを”バック”、これがなかなか難しい。

器具を使った練習も楽しいです。”ジャンプ”、でハードルを飛ばせ、”アップ”で Aフレームを登らせます。Aフレームとは人の背の高さくらいの三角形の山形をした器具で、触(タッチ)らなければならないスペースを飛ばしてしまうと減点になるので、その降口の所で”タッチ”で犬を静止させます。”タッチ”の練習も反復して行います。

それからドック・ウォークという、幅30cm、高さ120cm位の平均台を”ウォーク”のかけ声で走らせます。ドッグ・ウォークもタッチスペースが在るので、降りるところで”タッチ”させます。そして、直径60cm、長さ6mのトンネルを”トンネル”と指示して駆け抜けましょう。

スラロームはアジリティの花形で、犬が駆け抜ける姿は惚れ惚れするほど格好いいです。スラロームは必ず右側から入らなけれなならないので、コースの設定によっては難しい障害です。最初のうちは上の写真のようにコーストガードを付けて練習します。”スルー”の掛け声と指示でスラロームに飛び込んでいく愛犬の姿は、もはや、だめ犬とは言われることは無いと思われます。

他にシーソーとかタイヤとかの障害を組み合わせて、コースを設定します。

ケンとイチハは2年間、永田ドッグスクールに通いました。大勢の生徒さんと、その愛犬たち、多様な犬種とのふれあいで、ケンのダメな部分が目に見えて改善していきました。もはや名犬ではと勘違いしてしまいそうになるくらい、立派な成犬に成長していきました。(親バカですけどね)

大会に出場出来なかったのは、少し心残りですが、たくさん経験を積むことが出来、ケンが普通の犬になってくれたのが、凄く嬉しかったです。

 

フリスビーは思っていたより簡単

関口ドッグワークス

永田ドッグスクールに通いながら、フリスビーの学校にも通いました。

SEKIGUCHI DOG WORDS です。

アジリティの学校で、だいぶ鍛えられていたのでフリスビーは2,3回通ったら、とりあえず出来るようになりました。

フリスビーで難しいのは、犬を操ることではなくフリスビーを投げる、その行為自体が一番難しい問題でした。つまり、ケンは高性能なディスクドッグでしたが、パートナーの私がヘボで足を引っ張っていました。

普通にフリスビーを投げる分には問題ないのですが、40m位投げようと力を入れると、真っすぐ飛んでくれません。右へ行ったり、左へ行ったり、真っすぐ飛ぶ確率は、良くて60%。

結局、1年で投げました。(^_^;)

私にはフリスビーの才能がなかったのです。ケンが不憫でなりません。

フリスビーの大会

フリスビーの大会にも3回、参加することが出来ました。結果はご容赦ください。楽しい思い出と、ちょっと悔しい経験をすることが出来、ドッグスポーツを始めて本当によかったと思います。

そして何より、ケンの成長が素晴らしく、それが私にとって一番の幸せでした。

ただ残念なのは、人懐っこく、性格の穏やかな、イチハはフリスビーは出来ないし、アジリティも中途半端になってしまったことです。ダメ犬だったケンにばかり指導が偏ってしまい、もっとかまってやれば良かったかなと思います。

ケンが普通の犬に成長したことで、また新しい世界が開き、楽しい経験や感動の体験など、思い出が積み重なっていく事になりました。

 

あるボーダーコリーの物語

1章 我が家のボーダーコリー
2章 ドックスポーツとの出会い。
3章 トラベル&トレッキング
4章 ありがとうケンザブロウ、そしてさようなら

 

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