自作パソコンに挑戦5 CPU と CPUクーラー

 

CPU

CPU と CPUクーラーは

  私の想像を遥かに超えて進化を続け、

  怪物と言って良いくらいの巨大なシステムになりました。

  Mac をメイン機にしてから、ハードウェアに興味はなくなり、

  最新のテクノロジーにも疎くなっていました。

  Mac 以外眼中になくなった、とても幸せな時代でした。

パソコンを自作するに当たり、

  最新の CPU の情報を調べてみると、

  インテルが AMD に逆転されている、信じられない現実を目にして、

  巨人インテルの足元をすくった、AMDに敬意を評し、

  AMD Ryzen 5 3600 を使うことにしました。

CPU の進化に合わせ、CPUクーラーも巨大化して、

  その大きなヒートシンクに度肝を抜かれました。

  水冷のクーラーまで一般化し、その種類の多さにも

  目を見張りました。

自作パソコンは、今まで眼中になかったのですが、

  豊富なパーツ選びからして、楽しみが広がりますね。

  ただ、散財に、一抹の不安を覚えるのは野暮なのでしょうか?

 

 

CPU Ryzen 5 3600

CPU

2019年7月 第3世代 AMD Ryzen プロセッサーが発売されました。

  それまで、市場の80%を独占していたインテルを出し抜いた瞬間でした。

  この画期的な新製品は、1年後の現在も、その優位性を保っています。

第3世代 Ryzen の第2世代 Ryzen  からの変更点

  1・クロックあたりの性能が15%改善しました。

  2・エンコード性能の強化

    動画エンコードは AVX2 命令セットを使います。

    第2世代では、128bit だったのが、256bit で処理できるようになって、

    動画の書き出しが本来の性能を発揮できるようになりました。

  3・PCI Express Gen4 に対応しました。

    Gen3 の帯域を2倍に引き上げています。

    16レーンを使うグラボでは、それほど恩恵はありませんが、

    4レーンの NVMe SSD は32Gbps から64Gbps に

    なるので、性能の向上が見込めます。

  4・メモリが定格で DDR4-3200 に対応した。

    第2世代の DDR-2933 から DDR-3200 に標準クロックが

    向上して、より高クロックで動かすことが出来るようになりました。

  5・従来のチップセットが利用可能です。

    AMD Ryzen の大きなメリットの互換性が維持されています。

    ただ、Bios のアップデートが必要です。

第3世代 Ryzen の構造

  第3世代 Ryzen は比較的簡単にコア数を増やせる設計になっています。

  4つのコアを持った CCX と呼ばれるユニットを

  ユニット単位で増やしていきます。

CPU

  CCX は4つのコア、それぞれに L2 キャッシュと、共有の L3キャッシュ

  を持っています。

  そして、CCX を2個繋いだものが、8コアの Ryzen 7になります。

CPU

  2つの CCX をつなぐのが、Infinity Fabric と言うインターコネクトです。

  ゲームの性能で、インテルに劣っていたのは、このインターコネクトを

  経由する際に、待ち時間が発生するためのようです。

  そして、それは DDR4 メモリクロックに、相当依存しているため

  メモリクロック数を上げることで、改善が見込めます。

  そして、CCX 2個のダイを2個つないだのが Ryzen Threadripper です。

CPU

  Ryzen Threadripper は 16コア32スレッドの怪物CPUです。

  さらに、AMD は、サーバー向けに、32コアのCPU 「EPYC」

  もあるようです。

 

  この様に、比較的簡単にコア数を増やせる構造が AMD の

  ストロングポイントになっているようです。

ロードマップ

  第3世代Ryzen の大きな特徴は

  7nm 製造プロセスを採用したことです。

  インテルが 14nm で足踏みをしている現状では、

  この優位性は動かしがたく思われます。

  さらに、AMD のロードマップでは、

  2020年に、7nm で第4世代 Ryzen 「Zen3」を発表する予定で、

  2022年には、5nm プロセスで製造した 第5世代Ryzen を

    予定しています。

  予定通りに事が進むとは限りませんが、

  インテルの反撃が気になる所です。

第3世代 Ryzen の性能比較

 

CPU

上の表は少し見づらいのですが、

  第3世代 Ryzen 5 、Ryzen 7 、Ryzen 9 と

  同価格帯のインテルCPU と比較しました。

  CPU の構造からすれば、

  8コア16スレッドの Ryzen 7 と

  16コア32スレッドの Ryzen 9 3950X が

  メインのCPU になると思われ、

  6コア と 12コアの CPU は

  ダイ上にある2つコアの機能を制限したモデルのようです。

  出来れば、ダイの上にある全てのコアを全部使う

  CPU を動かしてみたいものですね。

そして、もう一つ付け加えておかなければならないのは

消費電力が、かなり抑えられていることです

 

 

 

  これは、インテルと比較してもアドバンテージがあります。

  特に、Mini-ITX のマザーボードを使って、

  小さなケースに入れる場合に重要になるかも知れません。

  まあ、グラフィックボードの排熱のほうが大きいので、

  そこまで気にする必要はないかも知れませんが。

 

ここまで調べてみて、

  AMD の インテルに対する優位性は如何ともし難く、

  AMD の人気がしばらく続きそうです。

  また、インテルの頑張りに期待しないわけには行かず、

  2社が競争することで、私達消費者の利益になり、

  自作パソコンの世界が盛り上がることは素晴らしいことですね。

 

 

CPU クーラー Noctua NH-D9L

CPU

自作パソコンに興味がなかったので、

  巨大な CPU クーラーを見た時は驚きました。

  こんな巨大なヒートシンクがケースの中に収まるのかな?

  でも、巨大なヒートシンクはロマンを感じるアイテムで、

  少年の心を呼び覚ます、一陣の風かも知れません。

CPU クーラーの前にマザーボードの話

ASRock X570 Phantom Gaming ITX/TB3 は特殊な形状をしています。

  AMD のAM4ソケットがついているのに、

  CPU クーラーのマウントは、インテルソケットのLGA1151互換の

  ネジ穴が設置されています。

  普通、AMD の AM4 ソケットのついたマザーボードには

  写真のような、クーラー取付台がついています。

CPU

  しかし、このマザーボードにはそれが無いのです。

CPU

  赤い丸で囲った穴が、LGA1151 互換のネジ穴です。

  つまり、CPU に付属するリテールクーラーは使えないのです。

自作パソコンが、ほぼ初めての自分としては

  CPU クーラーを選ぶ知識がなく、仕方がないので、

  ASRock のホームページから、クーラー対応リストお見て

  選ぶことにしました。

CPU

  小さくて見ずらいのですが、

  Noctua NH-D9L 赤線を見つけることが出来ました。

  何故、このマザーボードが、こんな変な構造をしているのか、

  大変興味をもち、調べてみました。

  AMD のマザーボードに、インテルの穴を開けたのは、

  社長の一言だったみたいです。

  AMD のCPU クーラー取付台が邪魔で、

  小さな Mini-ITX マザーボードの回路を上手く引けない社員に対し、

  「インテルのクーラーを使えばいいじゃん」

  て、言ったみたいです。

  こんなことで、ASRock は強力な VRM 電源フェーズを10個も

  乗せることに成功したのでした。めでたしめでたし。

  ついでに、VRM 電源フェーズを調べてみました。

  マザーボードは12V、5V、3.3V の電圧を供給しているけれど、

  CPUの電圧は1.5V以下なので、CPU にあった

  電圧に変換するのが VRM です。

  また、VRMは、電流量が変化しても安定して任意の電圧を

  供給するための部品でもあります。

  そして、フェーズとは、同期整流回路と呼ばれる回路を

  複数並列させたもので、

  フェーズ数を多くすることで、1つの回路あたりの

  スイッチ時間を短くでき、しかも、1回路あたりの出力は

  小さくてもよく、回路全体としては大きな出力に

  対応できるようになります。

  つまり、このマザーボードには、上位のATX マザーボードに

  ついているような、強力なVRM 電源フェーズが

  搭載されています。

  なので、この小さいマザーボードでも Ryzen 9を動かすことが出来ます。

  発熱に対して、考慮の余地がありそうですが。

  それは、Ryzen 9を実際に乗せる時に考えたいと思います。

Noctua NH-D9L

Noctua NH-D9Lは、高さわずか110mmの優れた静音冷却性能を提供する

高性能なCPU クーラーです。

  接地面積が、95x95mm なので、すべてのIntelベース

  および、ほとんどのAMDベースのITXメインボードの

  RAM および PCIe スロットをクリアします

CPU

  NH-D9Lはメインボードに平行に吹くタワースタイルのクーラーで、

  フロント吸気とリア排気ファンが平行に空気流路を形成する場合に

  優れたエアフロー効率を実現します 。

  高さ125mmまでのクラシックな9cmクーラーは

  4Uラックマウントケースに適合しますが、

  NH-D9Lの高さは110mmに縮小されているため、

  3Uシャーシにも適合します。

  3Uシャーシは、ラックマウントシャーシで、サーバーなどの

  ラックに入れるようなケースなので、

  自作には、あまり関係ないようです。

付属のNF-A9プレミアムファンは

  PWMによる自動速度制御をサポートし、卓越した静粛性を実現します。

  PWM は DC モータをパルス幅変調(PWM)で駆動して速度制御する

  技術で、早い周期で ON/OFF を繰り返し,一周期の中で

  ON の時間が占める割合で パワーを制御する方法です。

  つまり、CPU の温度によって、風量をコントロールして、

  静粛性を高めます。

感想

CPU

マザーボードに CPU と CPU クーラーを取付けて

  だいぶ形が出来上がってきました。

  後は、メモリとグラフィックボードを付ければ完成です。

  ここまで来ると、早く動かしたい衝動に駆られますが、

  Youtube の動画の撮影と、ブログの記事を制作しなければならず、

  作業が滞っているのが口惜しいです。

  特に、動画の編集に時間がかかり残念です。

  もう少し作業効率を上げる努力が必要ですね。

また、今回の CPU は非常に奥が深く、調べても、調べても、

  興味が尽きることはなく、しかも、理解するのが難しい。

  調べている時は楽しいのですが、集めたメモを整理するのに

  時間がかかり、これも作業が遅れた原因です。

とりあえず、大きな山を超えたような気がするので、

  次回からは、もう少し、サクッと行きたいですね。

  次は、メモリです。

 

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